復活パターンをさがしています

30代半ばで盛大に人生に躓いた北陸在住の個人事業主が、人生の復活パターンを求めて彷徨うブログ。

街には大型書店がなきゃ、Amazonだけじゃダメなんだ。でもね……

 先週金曜日、仕事で東京に行ってきた。

 いつもは高速バスで越前-東京間を往復するのだが、今回は別件とのスケジュールの兼ね合いで高速バスに乗れずクライアントさんに相談したところ、「新幹線で来ていいよ」と言われたので、ありがたくお言葉に甘えることにした。

「普段は高速バス? 新幹線代もケチるとか、そのクライアントどんだけブラックだよ」と言われることもあるが、これは県外のクライアントさん全てに私から提案していることだ。越前の片田舎のフリーランスが遠方の相手先に気に入られるには、こういうところで「使いやすいヤツ」をアピる必要があると思っている。もちろん、ナメられない程度にバランス取って、ではあるが。


 さて、新幹線での往復となると高速バスに比べて体力面と、何より時間の使い方を気にせずに済むので、金曜の仕事後は都内で一泊し、翌土曜日は東京で一日遊ぶことにした。

 田舎民が「東京で遊ぶ」と言うと聞こえがチャラいが、私の場合ハメを外すようなことは一切なく(そんな甲斐性も度胸もねェよ悪かったな)、基本「福井にない規模のお店巡り」がメインとなる。

 だいたい、大型家電量販店か、大型書店か、大型ホームセンター。そして今回は、その中でも大型書店について。


福井には大型書店が無いといふ

 「東京でお店巡り」と言っても、だいたい行く店は決まっていて、ほぼ確実に行くのがヨドバシAkibaとその上にある有隣堂。そして大型書店としては、紀伊國屋の新宿本店や池袋ジュンク堂、そして八重洲のブックセンター。

 私が大型書店に求めるのは、新しい本との出会いだ。特にコンピュータ書やビジネス書については、ネットで検索するよりも、本屋で新刊を知り、中身をちゃんと確かめて、初めて買うかどうかが判断できる。

 この「新刊を知る」ことと、その時点での自分に必要かどうか「中身を確認する」こと。この2点が本を買う上で最も重要だと私は思っているし、何だかんだ、まだネット書店では完璧には実現できていない部分だと思っている。


 コンピュータ書に限ると、実はかつて「cbook24.com」というコンピュータ書専門の通販サイトがあって、そのトップページにコンピュータ書の新刊が無差別で大量に掲載されており、かなり愛用させていただいた。

 しかし2009年にリニューアル名目でよく分からないアフィリエイトサイトに変容したと思ったら、そのまま事実上閉鎖してしまった(現在はドメインだけ残っている様子)。

 当時、私は既に福井に戻ってきており、コンピューター書の新刊をチェックする機会が失われたと、真剣に悲しかった記憶がある。


 ここまで読むと「福井にも本屋はあるんだから行けばいいじゃん」と思われるかも知れない。確かに、規模としては都市部の大型書店に及ばないまでも、それなりに大きい書店はいくつかある。

 だが、福井の書店で「コンピュータ書の新刊チェック」ができるのかと言うと、これはかなり厳しいと言わざるを得ない。


福井でコンピュータ書の新刊チェックが難しい理由

 福井には「勝木書店」という、県内最大の書店チェーンがある。

www.katsuki-books.jp

 普段、私も近場のチェーン店舗にはよく行くし、それなりにお世話になっているのだが、この勝木書店、チェーン全体の特徴として、あんまりコンピューター書に力が入っていないなと、個人的に思っている。

 その本屋が特定ジャンルの書籍に強いかどうかを判断する基準として「そのジャンルの商品陳列を見る」というテクニックがある。

 勝木書店の場合、C++C#の本が一緒くたになって並んでいたり、特に古典の名著でもない10年以上前のWeb制作の解説書がそのまま置いてあったり、10月半ばを過ぎたこの時期になると、ただでさえ少ない棚の大半が年賀状作成系のムックで埋められるなど、お世辞にも「分かってるな」とは言えない状態の店舗が多い。

 あと、もちろんビジネスなので「その地域でよく売れる本」を多く並べるのは当然なのだが、土地柄、コンピュータ書、それもそれなりに専門性の高い本はほぼ売れないのだろう。勝木書店に限らず、福井県内の書店は都市部の大型書店に比べて、コンピュータ書の棚の割合がかなり少ないように思う。


 それでも、以前は頑張って専門書を入れてくれていた書店もあったんだが、そういうお店はこの10年でことごとく閉店、あるいはコーナーごと大幅縮小されている。

 となれば当然、コンピューター書の新刊が無差別に入るなんてことはなく、私がそれを探しにいくこともできないわけだ。


そして、Amazonで買う

 今は東京を始めとした都市部に行く機会が年に7~8回はあるので、地元で新刊チェックができなくても、それほど不自由してはいない。しかし、東京の大型書店と東急ハンズについては、毎回行く度に「なんで福井にはこういうお店がないんだろう」と悲しくなってしまう。

 それから、大型書店で新しい本との運命の出会いを果たしたとしても、私はよほどの一目惚れでなければその場では買わず、最終的にはAmazon楽天ブックスで注文している。

 ポイント狙いの部分もあるが、それ以上にネット書店を応援することで、先に述べた「何だかんだネット書店ではまだ実現できていない部分」を実現して欲しいと思っているから。

 「そんなことしてたら、ますます地元の書店が廃れるよ」と言われるだろうが、なまじ都会に住んでいた経験を持って田舎で暮らしていると、この先10年、20年経っても、この差は決して埋まらないことを、ヒシヒシと感じてしまう。

 だからこそ、せめてその地域差をネットが埋めてくれるなら、という期待も込めて、私はネットにお金を落としていくのだ。



 また2500字越えの長文になっちゃったなー。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!