復活パターンをさがしています

30代半ばで盛大に人生に躓いた北陸在住の個人事業主が、人生の復活パターンを求めて彷徨うブログ。

高校生クイズの優勝者に、「頭脳王2016」の全問題を解説してもらったよ!(その1/準々決勝の序盤まで)

 どうも、人生流転中の藤田です。流転が始まって早くも一年が過ぎ、そろそろ「流転中」よりは何かしら飛躍の取っかかりになるような前付けに変えたいところです。


 暮れも押し迫ってきまして、テレビが年末番組で埋まるようになってきましたね。そんな中、先週金曜日(16日)の夜に、日本テレビで「頭脳王2016」が放送されました。


www.ntv.co.jp


 実は私、仕事の一つに「クイズを作る」という業務がありまして、仕事の参考にもなりますし、そもそもあの手のクイズ番組は大好きなので、必ずチェックしています。


 しかし、数あるクイズ番組でも「頭脳王」のような超難問系の場合、「何故それが分かるのか」や「何故その問題の正解がそうなるのか」については「彼らが天才だから分かる」で片づけられてしまい、解説が知りたくてもそのまま流されてしまう問題が多くあります。


 と言うか、「頭脳王」はそもそも出場者の天才性が演出によって極限まで増幅された番組で、問題と正解、そしてその解説を視聴者に伝えることについては重きが置かれていません。


 なので、一見メチャメチャ難しく見える問題でも、それは「そういうふうに演出された問題」で、解説を聞けば実はすげえ簡単、という問題が結構多くあったりします。


 と言うわけで今回は、放送から1週間経ったタイミングではありますが、「頭脳王2016」で放送された全問題について、様々な面から解説をしてみたいと思います。


 とは言っても、いくらクイズが仕事だからって、別に天才でも何でもない私が全ての問題を分かりやすく解説できるモノでもありません。なので今回は超強力な助っ人をお呼びしました!


藤田
「というわけで、ここから急に会話形式になります。今回、解説の助っ人にお呼びした、と言うかほぼ任せきろうと思っている、自主規制神さんです」

自主規制神さん(以下「神さん」)
「どうも」

藤田
「以下、神さんと、ついでに私の分も軽くプロフィール書いておきましょう」


自主規制神(じしゅきせい・かみ)
1980年・東京都出身。1998年「ライオンスペシャル 第18回全国高等学校クイズ選手権」(高校生クイズ'98)で優勝。現在はフリーのシステムエンジニアとして活躍しつつ、各地のクイズイベントに参加している。全人口の上位2%のIQを持つ人間しか入会できない「MENSA」会員。


藤田雄亮(ふじた・ゆうすけ)
1980年・福井県出身、在住。地元でIT関連のフリーランスとして活動する他、全国クイズイベント「エコノミクス甲子園」のクイズシステム・プロデューサーを務める。かつて民放の地方テレビ局で、AD兼ディレクターとして勤務していた経験あり。

【12/24 13:15修正】
記事公開当初、IQ150以上としていたMENSAの入会条件を修正しました。


準々決勝・全問題解説!(序盤)

藤田
「それでは早速解説をしていきましょう!」

次のDNAを解読し、何の生物か答えなさい。

藤田
「いきなり遺伝子解読ですね。正解が【パンドラウイルス・サリヌス】ですが」

神さん
「これ、遺伝子の並びのアルファベットは関係なくて、注目すべきは下の「全247万3870塩基対の一部を抜粋」って部分です」

神さん
「この『247万3870』って数は、今のところウイルスでゲノム数が最大とされている数なので、出場者なら対策で抑えてきてると思います。昨年もほぼ同じ問題が出てました」

藤田
「そうでした。昨年はココの数値が15万ぐらいで、こちらはゲノム数が最小の真正細菌だったそうです。反対にしただけだったのか」

【12/24 13:15修正】
記事公開当初、ゲノム数が最大・最小の「生物」としていた記述を修正しました。


次の映像を見て、一辺が2cmの積み重ねられたブロックの総体積が何cmか、求めなさい。

藤田
「続いてこれも恒例、積み重ねブロックです。今回は求めるのがブロックの個数ではなく総体積とひねってきました」

神さん
「一辺が2cmだから、個数に8を掛ければいいだけなのでほとんどひねってないですけど」

藤田
「この問題って、いつも正解者が『規則性に気づいた』って言うんですけど、どんな規則性なのか分かんなくてモヤモヤするんですよね」

神さん
「これね、よく見ると積み重ねられたブロックの各段で、上面が見えるブロックの個数が、全部7個なんですよ」

藤田
「え? ……あ、ホントだ!」

神さん
「これが彼らの言う『規則性』ですね。各段、上から7個ずつブロックが増えていると。で、9段あるので、単純に7+14+21+28+35+42+49+56+63としても個数自体は求められます」

藤田
「足し算を高速でやっているだけだったのか……」

神さん
「いえ、こういう同じ数ずつ増えていく数列を『等差数列』(とうさすうれつ)って言うんですけど、等差数列は合計を出す公式があります。しかも小学校で習う、台形の面積を求める公式と形は同じ」

藤田
「台形の面積の公式って、(上底+下底)×高さ÷2のアレ?」

神さん
「そう。なので今回の場合だと、一番上の数と一番下の数を足して、7+63=70。それに段数を掛けて、70×9=630。2で割って、315。これで個数が求められたので、あとはブロック1個分の体積である8を掛ければ」

藤田
(電卓を叩く)「おお、【2520】になった!」

神さん
「実際は『7個ずつ増加×9段』という情報が与えられた段階で、(7+7×9)÷2 を立式します。また、割り算をすると端数が出て計算桁数が増えるので個数は出しません。体積が8なので÷2と相殺して、(7+7×9)×9×4 と頭の中で置き換えて暗算しています」

藤田
「頭の中で計算の手数そのものを減らしているのか……」

【12/24 13:15追記】
最終的な立式に関する記述を追加しました。


柔軟性を試す問題です。

竜[?]

頭を使って熟語を完成させ、それが使われている道具を答えなさい。

藤田
「竜頭(りゅうず)、からの【時計】が正解。問題としては知識なぞなぞの部類ですね。これは放送でちゃんと解説されたので省きましょう」

神さん
「『頭を使って』って、いかにもな感じだなあ」


これは、気象庁のデータをもとにした、気象衛星画像です。

では、この気象衛星画像が静止した時点での台風の大きさと強さを答えなさい。

神さん
「これは正解を確定できる理由がわかんないな、日本よりだいぶ南にあるってことだと思うけど」

藤田
「他に文字的な情報もないしねえ。一応正解は【大型で猛烈な台風】です」


頭を柔らかくして考えなさい。



2つ以上答えなさい。

神さん
「あーなるほどね、【全部入る】のか」

藤田
「一見熟語を作る問題に見えるけど、実際は真ん中の口が「くにがまえ」で、周りの文字のどれが入ってもOK、と。口の下のカド部分が少し出ていて、文字然としているのがヒントでしょうね」


次のグラフは、何を表しているか答えなさい。

藤田
「正解は【円と元の為替レート】ですが、こういう、ただ知ってるか知らないかで解けるかどうかが決まる問題を、知識問(ちしきもん)と呼びます。知識の有無がキーなので、この企画だとちょっと解説のしようがないかなと」

神さん
「ただ、頭脳王の場合だと、知識問は昨年までに出た問題を少しずつ改変してるだけだったりするので、彼らは番組に出ることになった時点で対策はしやすいと思うんですけどね」



(その2に続く)



【12/26 19:19追記】

 続きの「その2/準々決勝・第1ステージ終了まで」をアップしました。

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